はい、もちろん可能です。 ステンレスのパイプ溶接は、イセ工業株式会社の最も中核となる技術の一つです。前回のFAQ(「ステンレスのパイプ加工は可能でしょうか?」)でも触れた通り、弊社は排気管(マフラー)部品の製造で培った豊富な経験があり、その大半はステンレス材の溶接です。
「薄物ステンレス溶接」の難しさと弊社の技術
ご提示いただいた通り、特に「薄物(うすもの)」(肉厚が薄い、例:1mm~2mm程度)のステンレスパイプの溶接は、一般的な溶接作業とは一線を画す、非常に高い技術が要求される分野です。
その最大の課題が、ご指摘の「裏ビード」のコントロールです。
- 専門用語解説①:ステンレス溶接の課題 ステンレスは、鉄に比べて熱伝導率が低く(熱が逃げにくい)、熱膨張率が高い(熱で歪みやすい)という特性を持っています。 そのため、薄い材料を溶接すると、熱が集中しすぎて「溶け落ち(穴あき)」や「歪み(ひずみ)」が非常に発生しやすい、デリケートな材料です。
- 専門用語解説②:裏ビード(うらビード)とは? パイプの溶接では、継ぎ目部分の強度と気密性を確保するために、パイプの外側から溶接し、その熱で材料の内部(裏側)まで完全に溶かす「完全溶け込み(フルペネトレーション)」が求められることが多くあります。 このとき、パイプの内側に現れる溶接跡(ビード)のことを「裏ビード」または「裏波(うらなみ)ビード」と呼びます。
課題:「裏ビードが出やすい」の本当の意味
ご提示いただいた「裏ビードが出やすい」という言葉は、この裏波ビードの品質コントロールが非常に難しいことを指します。
薄物ステンレス溶接で、もし「熟練の技術」がなければ、
- 酸化(さんか): 裏側(パイプ内部)の溶けた部分が空気に触れ、真っ黒に酸化してしまい、ステンレス本来の耐食性(錆びにくさ)を失ってしまいます。
- 形状不良: 裏ビードが均一にならず、デコボコになったり、ダマ(塊)になって内部に垂れ下がったりします。
- 溶け落ち: 最悪の場合、熱に耐えきれず穴が開いてしまいます。
特に排気管や、流体(液体・気体)を通すパイプ、食品・医療用のパイプにおいて、内部が酸化していたり、デコボコしていたりすることは致命的な品質欠陥となります。
イセ工業の「高品質加工」= 熟練の技術
イセ工業株式会社では、この難題をクリアし「高品質」を実現するため、以下の技術を駆使しています。
- TIG溶接の精密なコントロール 溶接工法は、仕上がりが最も美しく、精密な制御が可能な「TIG溶接(ティグようせつ)」を主体とします。溶接工は、溶け落ちる寸前の「ギリギリ」のラインを見極め、電流値、溶接速度、トーチの角度をコンマ単位で調整する「熟練の技術」を駆使します。
- バックシールド(アルゴンガスによる内部シールド) これが最も重要な技術です。溶接中、パイプの内部にアルゴンガスなどの不活性ガスを充満させ、裏ビードが空気(酸素)に触れないように保護(シールド)します。 この「バックシールド」を適切に行うことで、裏ビードの酸化を完全に防ぎ、銀色や黄金色に輝く、滑らかで美しい裏波ビードを形成することが可能になります。
内部の品質までこだわります
弊社が「高品質」と謳うのは、外観の美しさはもちろんのこと、パイプの内部、見えない部分の品質(裏ビード)まで徹底してこだわっているからです。
「この薄いステンレスパイプ、溶接で歪みや焼けを出したくない」 「パイプ内部の仕上がりの滑らかさが重要だ」 「強度と耐食性を両立させた溶接をお願いしたい」
といったご要望がございましたら、ぜひステンレス溶接のエキスパートであるイセ工業株式会社にお任せください。 図面を拝見し、必要な品質要求(強度、気密性、美観、内部の仕上がり)に基づき、最適なお見積もりをご提案いたします。
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社内一貫製作により多種多様なパイプ部品の製造を試作開発から量産までトータルサポートいたします
積極的なVA/VEによる技術提案によりお客様のニーズにお応えいたします