よくある質問

二重管のパイプ曲げ加工は可能ですか?

はい、イセ工業株式会社では、二重管(にじゅうかん)パイプの曲げ加工にも対応可能です。

ご提示いただいた情報にもあります通り、過去には自動車やバイクの排気管(マフラー)などで、断熱性や消音性強度の向上を目的として、この二重管構造(デュアルウォール)が非常に多く採用されていました。

二重管パイプの曲げ加工の難しさ

二重管パイプとは、その名の通り、外側のパイプ(アウターパイプ)と内側のパイプ(インナーパイプ)が重なった、二重構造のパイプのことを指します。

この加工が、通常の単管(一本のパイプ)の曲げ加工と比べて格段に難易度が高いのは、以下の理由によります。

  1. 内外の「ズレ」と「シワ」: パイプを曲げる際、外側のパイプと内側のパイプでは「曲がる半径(曲げR)」がわずかに異なります。そのため、曲げの最中に2本のパイプがズレようとする力(スリップ)が発生します。これを適切に制御しないと、特に圧縮される側になるインナーパイプに深刻な「シワ」が発生してしまいます。
  2. 「扁平(へんぺい)」の発生: 2本が重なっている分、曲げの力によって断面が潰れ、真円(まんまる)だった形状が楕円(だえん)になってしまう「扁平」という現象も発生しやすくなります。

「ショット(芯金)」を用いたイセ工業の曲げ技術

弊社では、排気管の製造で培った長年のノウハウを活かし、これらの課題をクリアする技術を保有しています。

ご提示いただいた「ショットを入れ」という記述は、専門的には「芯金(しんがね)」または「マンドレル」と呼ばれる、パイプ曲げ専用の補助工具(金型)を使用する技術を指します。

  • 芯金(マンドレル)とは: パイプの内径(この場合はインナーパイプの内側)に挿入する金属製の工具です。特に、二重管や薄肉のパイプを曲げる際には、「ボール芯金(可動式の球が連なったもの)」という特殊な芯金を使用します。
  • イセ工業の加工ノウハウ: このボール芯金をパイプ内部に挿入したまま、NCパイプベンダー(数値制御式の自動曲げ機)で曲げ加工を行います。芯金がパイプの内側から形状を強力に支えることで、シワや扁平の発生を極限まで抑え込み、滑らかで高品質な曲げ上がりを実現します。 アウターパイプとインナーパイプの材質や、両者の隙間(クリアランス)に応じて、最適な芯金の選定や曲げ速度を調整するノウハウが、弊社の強みです。

特殊な「二重管」の曲げもご相談ください

排気管での採用例は減りましたが、この二重管の曲げ技術は、

  • 冷却配管(ジャケットパイプ)
  • 高い断熱性や保温性が求められる、プラントや特殊な装置の配管
  • 高強度が必要な構造部品

など、現代の様々な産業分野でも求められる高度な加工技術です。

「二重構造のまま、高精度に曲げたい」 「インナーパイプとアウターパイプの材質が異なるが、曲げられるか?」 「他社でシワや潰れを理由に断られてしまった」

といった特殊なパイプ加工のお悩みがございましたら、ぜひイセ工業株式会社にご相談ください。 お客様の図面(材質、内外の径・肉厚、曲げR)を拝見し、弊社の豊富な経験から最適な加工方法をご提案し、お見積もりいたします。

まずはお気軽にお問い合わせフォームまたはお電話にてご連絡ください。

ステンレス・アルミパイプ 受託加工センター
ステンレス・アルミパイプ受託加工センターでは、創業以来積み重ねてきたノウハウと、
社内一貫製作により多種多様なパイプ部品の製造を試作開発から量産までトータルサポートいたします
 

積極的なVA/VEによる技術提案によりお客様のニーズにお応えいたします